a接点、b接点を何度も間違えてしまうし、なかなか覚えられないよ!
a接点、b接点を覚えずらいのはいくつか理由があります。
職場で電気回路図やラダー図に電気接点のa接点とb接点の違いについて教えてもらったが、どうしても理解できない、分からない、間違ってしまうなんてことで悩んではいませんか?
大丈夫ですよ、それは電気初心者みんなが悩む問題です。
この記事ではそんな電気初心者が悩むであろうa接点、b接点がなぜ理解しにくいかや
理解するためのポイントについて解説します。
- 初心者がa接点、b接点を理解しにくい理由
- a接点、b接点を理解するためのポイント
- a接点、b接点を見分けるための実践トレーニング方法
電気初心者が電気接点のa接点、b接点が理解しにくい理由
- 接点の作動状態と、機器の作動状態があることが理解できていない
- a接点、b接点の接点の使われ方を知らない
- a接点、b接点にはほかの呼び方があり覚えにくい
- 機器の接点部分が直接見えないことでイメージしにくい
以上の3点が理解しにくくなっているのではと考えます。
理解しにくい理由①接点の作動状態と、機器の作動状態があることが理解できていない
a接点とb接点が理解しにくいのは接点の状態と、機器の状態の組み合わせがごちゃ混ぜになってしまうからではないかとヨツギは考えています。
初心者が電気接点のa接点、b接点を理解するためには、まずは接点の作動状態と機器の作動状態の2つの状態について理解が必要です。
接点の作動状況
接点の作動状況とは電気回路で接点がどういう状態にあるかを表します。
接点の状態は電気を通過させる状態か、遮断する状態かの2通りしかありません。
電気を通すための接点部分が物理的に離れていいる状態で、電気が流れない状態を指します。物理的に接点が離れていることから、これを接点が開いた状態と言います。
電気を通すための接点部分が物理的に接触している状態で、電気が流れる状態を指します。物理的に接点がくっついていることから、これを接点が閉じた状態と言います。
機器の作動状況
機器の作動状況とは、接点を持つ電気機器の状態を表します。
接点を持つ主な電気機器と言えば押釦ボタン、リミットスイッチ、リレー、電磁接触器等が挙げられます。
この機器にも2つの状態があると考えます、電気機器が作動している状態と不動作の状態です。
入力がされて作動しているとは例えば、押ボタンスイッチであればボタンを押されているときであったり、リミットスイッチであればリミットスイッチの動作レバーが押された状態、リレーであれば操作コイルに電圧がかかり作動用のコイルが電磁石化している状態です。
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押していない | |
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動作レバーが押されていない | |
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操作コイルに電圧がかかっていない状態 |
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押している | |
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動作レバーが押されている | |
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操作コイルに電圧がかかっている状態 |
a接点もb接点も電気接点ですので電気を遮断した(接点が開いた)状態と電気を通す(接点が閉じた)状態があります、
そしてその接点は機器が不動作の状態に電気を遮断した(接点が開いた)状態ものをa接点と呼び、機器が作動状態でないときに電気を通す(接点が閉じた)状態のものをb接点と呼びます。
その状態を表で表すと次の様になります。
a接点 | b接点 | |
機器が不動作の状態 | 電気を遮断
(接点が開いた)状態 |
電気を通す
(接点が閉じた)状態 |
機器が作動状態 | 電気を通す
(接点が閉じた)状態 |
電気を遮断
(接点が開いた)状態 |
特に電気にかかわってこなかった人からしたら、釦を押すと電気が流れて機械が動くなどの釦押す=電気が流れるa接点というイメージを持たれる方が大多数でしょうから、
特にb接点はあまのじゃく接点と呼ばれるボタンを押して電気を遮断する接点なので、そんなものがあるなんて言う発想がそもそもないのが普通だと思います。
理解しにくい理由②a接点、b接点に接点の使われ方を知らない
押しボタンを押して接点が離れるb接点なんて使い道あるの。
b接点は非常停止回路など機械の動きを止めたいところなどで活躍する接点です。
電気制御回路でa接点は機械や電気機器の動作開始や動作継続に使われることの多い接点です、対してb接点は機械や電気機器の動作停止や動作禁止の様なタイミングで使用されることが多い接点です。
例えば何か部品を加工する様な機械があったとし、a接点の押しボタンスイッチと、b接点の押しボタンスイッチがあった時にどんなふうに使用されるかといえば
a接点は加工する部品をセットして押しボタンを押すことで電気回路の接点が閉じ回路に電気が流れ始めて機械が動き出すといった動作開始のきっかけになる様な使われ方をされるのがa接点です。
対してb接点は機械に異常が発生し非常停止させたい時などに押しボタン(非常停止ボタン)を押すことで動作中の電気回路の接点を開くことで電気の流れが途絶えて機械の動作が停止すると言った使われ方をするのがb接点です。
理解しにくい理由③a接点、b接点にはほかの呼び方があり覚えにくい
a接点、b接点にはそれぞれほかの呼び方があり、機器ごとに表記が違ったり人によって違う言い方をされることでさらに分かりにくくなっているのではと思います。
「ノーマリーオープン」、「N.O接点」、「投入接点」「メーク接点」、「メイク接点」、「常開接点」
「ノーマリークローズ」、「N.C接点」、「遮断接点」「ブレーク接点」、「ブレイク接点」、「常閉接点」
ただでさえ、a接点、b接点はどっちがどっちか覚えるのに一苦労だと言うのに、こんなにいっぱい言い方があってはそりゃあ覚えにくいに決まってます。
理解しにくい理由④機器の接点部分が直接見えないことでイメージしにくい
接点の開閉が直接見えていればわかりやすいのに。
接点は見えているものはほとんどありません。。
次の写真は押しボタンの写真です。
ボタンにはa接点もb接点も有りますが、接点は見えません。
電気接点がa接点でもb接点でも接点は剥きだしなことはほぼありません。
ケースの中やカバーがされていて通常接点を目で見ることはできないものが普通だと思います。
接点の作動状況について目で見ることができないのでイメージしにくく理解しにくいものになっています。
実地でこれはa接点でこんな接点だよと言葉だけで説明されても中々想像だけではイメージはつきませんよね。
a接点、b接点を理解するためのポイント
そんな覚えにくい点を踏まえてa接点、b接点を覚えるためのポイントについて解説したいと思います。
ポイント①機器が動作していないときの接点状況で判断する。
a接点、b接点を判別するポイントは、機器が不動作の状態(ボタンなら押していない状態)に接点が開いているのか、閉じているのかで判断できます。
つまり、機器が不動作の状態で接点が開いている状態ならa接点、機器が不動作の状態で接点が閉じている状態ならb接点と覚えます。
ポイント②呼び方の違いは由来からイメージする。
これについては、ほかの呼び方についての由来などを知ることでそれぞれの呼び方がどの接点のことを指す意味なのかをイメージして覚えましょう。
「ノーマリーオープン」、「N.O接点」、「投入接点」「メーク接点」、「メイク接点」、「常開接点」
「ノーマリークローズ」、「N.C接点」、「遮断接点」「ブレーク接点」、「ブレイク接点」、「常閉接点」
以下に呼び方の由来をまとめました。
- 「a接点」の由来は働く接点(arbit contact アルバイトコンタクト) から来ていて接点機器が動作時に接点が閉じる方向に働くことから来ています。
- 「常開接点」はそのまま通「常」は「開」いている接点から来てます。
- 「N.O接点」の由来は通常開いた接点であることを英語で「Nomally Open」(ノーマリーオープン)と読み、その単語を略してN.O接点と呼びます。
- 「メーク接点」、「メイク接点」の由来は接点が閉じることを「make」(メイク)するといい、接点機器が動作中に接点が「メイク」することから来ています。
- 「投入接点」については確証的な情報が見つけられませんでしたが、ブレーカーなどの電源をONする時などは電気の界隈では「電源投入」と言います。この「投入」から接点機器が動作時に接点が閉じて電源が投入されることに由来すると思われます。
- 「b接点」の由来は壊れる接点(Brake Contact ブレークコンタクト) から来ていて、接点機器が動作中に接点を開いて回路を壊す(電気が流れないように)方向になることから来ています。
- 「N.C接点」の由来は通常閉じた接点であることを英語で「Nomally Close」(ノーマリークローズ)と読み、その単語を略してN.C接点と呼びます。
- 「ブレーク接点」、「ブレイク接点」については、b接点の由来と同じように
- 「常閉接点」はそのまま通「常」は「閉」じている接点から来てます。
- 「遮断接点」についても、確証的な情報がありませんでしたがブレーカーなどをOFFすることを「電源遮断」と言います。この「遮断」から接点機器が動作中に接点が開いて電源を遮断することが由来だと思います。
ポイント③機器の接点は端子の表記で判断する。
機器の接点は接点が直接見えていることはほとんどありません。
これについては、機器の端子に接点の表記がされていたり電気回路図が表示されているものを理解する必要があります。
機器の端子の表記は前述のa接点、b接点の別の呼び方でのN.O(a接点)やN.C(b接点)の表記で判別します。
電気図が表示されているパターンではa接点、b接点の図記号について理解する必要があります。
電気図記号の見方のポイントについてはa接点は図記号上でも接点が開いているような図になっていて、b接点なら図記号上でも接点が閉じているような図になっていることです。
a接点、b接点を見分けるための実践的トレーニング方法
a接点、b接点は覚えてしまえばほぼ間違えたり忘れたりはしなくなるのですが、初心者にとっては身に着けるまでが一苦労です。
a接点、b接点は電気技術者となって覚えてしまえば基礎中の基礎、電気の一丁目一番地とよく言われます。
そんなa接点、b接点をいち早く身に着けるための実践的トレーニング方法を独断と偏見で提案します。
- 仕事で目に入った電気機器の接点がa接点かb接点かを判断してみる。
- 答え合わせをする。
- 自分の言葉でメモを取る。
トレーニング①仕事で目に入った電気機器の接点がa接点かb接点かを判断してみる
a接点、b接点が覚えられなくて悩んでいるあなたは周りで接点を持つ機器があり理解したいと思っている勉強熱心な駆け出し電気技術者なんだと思います。
そこで、仕事や周りにある接点を持つ機器の接点がa接点なのかb接点なのかを普段から考えて判断してみましょう。
理解するためのポイントでも解説した通り、機器が不動作の状態で接点が閉じているのか開いているのかや機器に記載されている端子の表示などから判断する練習を行います。
トレーニング②答え合わせをする。
自分で考えて判断した接点が正しかったか間違っていたか先輩に聞いて答え合わせしましょう。
先輩は電気技術者のベテランですから正解か間違いかを教えてくれるでしょう。
ただし、時間に余裕があるときにしましょう、作業に追われているタイミングは避けて後で時間のある時に質問しましょう。
トレーニング③自分の言葉でメモを取る。
先の答え合わせで間違っていても、正解が分かると思います。
その時に感じたことを自分の言葉でメモを取りましょう。
それはなぜかというと他人の言葉ではなかなか記憶に定着しにくいためです、接点を考えたときなぜその接点はこっちだったと判断したのか?なぜ間違えたのか?と考え方を修正する練習になり、繰り返すうちに記憶に定着して判断を間違えなくなるためです。
まとめ
- 接点の作動状態と、機器の作動状態があることが理解できていない
- a接点、b接点にはほかの呼び方があり覚えにくい
- 機器の接点部分が直接見えないことでイメージしにくい
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