直列接続と並列接続分かるようでわからない、
覚えるコツはないかなー。
直列接続、並列接続を覚えるためのポイントがあります!
この記事はそんな配線の並列接続と直列接続の覚えるためのポイント、初心者が勘違いしがちなことや接続間違えの失敗例と対策について解説します。
- 直列接続と並列接続を覚えるためのポイント
- 直列接続と並列接続の呼び方の違い
- 直列接続と並列接続の初心者が勘違いしがちなポイント
- 直列接続をした時と並列接続をした時の特徴と違い
- 接続間違えした時にはどうなるのか?
直列接続、並列接続は電気回路を理解するうえで避けては通れませんが、
初心者には理解しにくいものでもあります。
直列接続を並列接続を覚えるための3つのポイント
- 回路の道筋で考える
- 回路内には直列接続と並列接続の部分が混在する
- 機器と機器の接続関係で考える
それぞれについて解説します
覚えるためのポイント①回路の道筋で考える
この場合は直列接続か並列接続か、ぱっと答えられないんだよなー。
電気回路の道筋をたどっていくときに分かれ道があるかしないかで
判断できますよ!
回路の道筋で考えるとは、回路の接続が直列か並列かを見分けるためにその道筋が一本道なのか分かれ道があるかを考えれば直列接続か並列直列接続かが分かります。
それぞれのパターンを解説します。
直列接続の場合
電気の通り道ってどういうこと?
自分が電気になったつもりで考えよう、電気は電線を道として移動できると考えて道筋を考えてみます。
次の写真を見てください。
電気の通り道は一周するまでに一本だ。
このパターンを直列接続と言います。
黄色い矢印で表した回路は電源(コンセント)から始まりスイッチ、電球を通過して再度電源(コンセント)へ帰る道筋はずっと一本道です。
この一本道のつなぎ方を直列接続と言います。
並列接続の場合
分かれ道があるとはどういうことだろう?
先ほどと同じ様に電気になったつもりで道筋(電線)を辿ってみよう。
次の写真を見てください。
さっきと違って途中で分かれ道があった!
緑の線の道かオレンジの線の道どちらかを選ぶこと出来る分かれ道がありました、この様なパターンを並列接続と言います。
黄色の線で表した電源(コンセント)から始まる電線は途中でスイッチの1つ目を通る緑色の道筋とスイッチの2つ目を通るオレンジ色の道筋に枝分かれします。
この分かれ道がある部分を並列接続といいます。
覚えるためのポイント②回路内には直列接続と並列接続の部分が混在する
道筋で判断できることは分かったけど電気回路ってもっと複雑じゃないの?
確かに、電気回路は単純な直列接続だけってことはほとんどありませんが、
複雑な回路も分解してみれば直列接続と並列接続の組み合わせでできています。
次の写真を見てください、回路の並列な部分と直列な部分を図示しています。
回路の部分的に見ると、直列な部分と並列な部分がある!
電気回路全体は並列接続と直列接続が組み合わさって構成されていることが一般的です。
写真の回路の緑色の矢印が通る道筋はスイッチ①と電球を通過する直列接続でオレンジ色の矢印が通る道筋はスイッチ②と電球を通る直列接続です。
ですが、緑色の矢印とオレンジ色の矢印を見た時スイッチの手前でそれぞれが分かれ道があるのでこれは並列接続ということになります。
つまり、回路の中で緑色の矢印の直列接続とオレンジ色の矢印の直列接続と、それぞれの色の矢印の並列接続の3つの接続がそれぞれ混在するということです。
覚えるためのポイント③機器と機器の接続関係で考える
分かった、つまり電線が分岐すればその道筋は並列接続ってことか!
ちょっと違います、直列と並列接続を判断するには接続する機器と機器の接続関係で考える必要があります。
ここでの機器とは電源、負荷(電気機器)、接点のいずれかを指します。
前述の通り回路内では直列接続と並列接続が混在するのでどの部分が並列接続・直列接続なのかで考える必要があります。
下の写真を見てください。
どの機器に注目するかで接続関係が違うってことか!
機器同士がどうつながるかで考えることで直列接続か並列接続かを考えます。
写真でスイッチ①とスイッチ②は回路の道筋が分かれ道があるので並列接続です、対してスイッチ②と電球は回路の道筋は一本道なので直列接続です。
つまりスイッチ①とスイッチ②の接続関係は並列接続で、スイッチ②と電球の接続関係は直列接続となり、どの機器との接続関係かで直列接続か並列接続かが変わってきます。
機器の組み合わせはいろいろ考えられますが電源と接点、接点と負荷、接点と接点、重要なことは機器と機器の接続関係関係で考えることが重要だということです。
直列接続、並列接続の呼び方の違い
業種や会社、人によって直列接続・並列接続の呼び方が違っていて意味が分からないということが初心者の時にはあるかと思います。
覚えてしまえば難しいことはありませんがこの機に覚えてしまいましょう。
並列接続の他の呼び方
並列回路、or回路、パラレル接続、パラと略した呼び方をすることやパラるの様に動詞扱いで言うこともあります。パラレルの語源は英語で並列、並行を表すparallel(パラレル)から来ています。接点の並列接続に関してor回路という言い方もあります回路の電流が分岐した部分からどちらかを通って流れることが出来るため英語のどちらかという意味のor(オア)から来ています。
直列接続の他の呼び方
直列回路、and回路、シリース接続、シリーズ、シリと略した呼び方をすることもあります。シリースの語源は英語で連続の、一連のを意味するseries(シリーズ)から来ています。接点の直列接続に関してand回路と言う方もあります回路の電流がどちらも通って一本道に流れることからついては英語のどちらもという意味のand(アンド)の合いから来ています。
ヨツギの会社ではパラ、シリースと言うのが会社の中での常識だったので
新人の頃何の話かさっぱりでした。
直列接続と並列接続の初心者が勘違いしがちなポイント3選
- 1つの電気回路には直列接続か並列接続のどちらかしかないと思っている
- 負荷を直列に接続すればどちらにも電気が流れるので機器が動作すると思っている
- 電線を接続する数で直列接続と並列接続が変わると思っている
それぞれについて解説していきます。
勘違いしがちなポイント①1つの電気回路には直列接続か並列接続のどちらかしかないと思っている
電気回路を考えるときにスイッチと負荷が直列接続だったのでこの電気回路は直列接続で並列接続はないと考えてしまうことはありませんか?
それは間違いです。
電気回路には1つのスイッチで2つの負荷を制御することもあるのでスイッチと負荷は直列接続ですが負荷は並列接続といった具合に
電気回路には直列接続の部分と並列接続の部分が混在することは当たり前にあります、
重要なことは覚えるポイントでも解説したように機器と機器の接続関係で考えることです。
勘違いしがちなポイント②負荷を直列に接続すればどちらにも電気が流れるので機器が動作すると思っている
2つの負荷に電気を供給したいために負荷同士を直列接続すれば両方の負荷に電気が流れてどちらの負荷も正常に動作すると考えたことたりしませんか?
それは間違いです。
1つの電源から負荷を2つ以上直列に接続すると負荷同士で電圧を分割することとなるためそれぞれの負荷にかかる電圧は半減してしまいます。
そのため、負荷を直列接続するような電気回路は基本的に使用しません。
勘違いしがちなポイント③電線を接続する数で直列接続と並列接続が変わると思っている
直列接続は電線同士を1対1で接続する、並列接続は分かれ道があるため3本以上の電線を接続するといった具合に接続する本数で直列接続、並列接続を判断していませんか?
それは間違いです。
確かに、並列接続をするときには分かれ道がある部分で3本以上の電線を接続するため一見正しいように思ってしまいがちですが、
その枝分かれした先の接続で負荷(電気機器)に接続するときに1対1の接続になったり、電線の継ぎ足しで1対1の接続をするためこれは直列接続だなと勘違いしてしまう恐れがあります。
大切なことはスイッチや負荷などの機器と機器が一本道につながるのか枝分かれにつながるのかで判断することが重要です。
機器を直列接続した時と並列接続をした時の6つの接続例とその特徴
電気回路で電源を直列接続したり、負荷を並列接続したりと何を直列・並列接続するかによって電気回路の特性が変わります。
それぞれの特徴を覚えることでも直列接続と並列接続を使い分ける意味がわかり電気回路を理解することにもなるのでそれぞれの特徴についても解説していきます。
- 電源の直列接続
- 電源の並列接続
- 負荷の直列接続
- 負荷の並列接続
- 接点の直列接続
- 接点の並列接続
接続例①電源の直列接続
次の写真を見てください、乾電池を直列接続した時の電圧を測定した写真です。
写真で乾電池を電源として直列接続した電圧をテスターで測定していて「3.196v」を表示しています。
アルカリ乾電池の電圧は1つ約1.5vなので、2つ足した3v前後の電圧となっています。
このように電源を直列に接続するとそれぞれの電圧を足合わせた電圧になります。
注意点は接続する点は次の写真の様に
写真では「0.105v」と表示されています、プラス同士を接続したときは電圧が1.5v-1.5vとマイナスされてトータルで0Vになってしまいます。
直列接続するときは+と-のつなぎ方にも注意しましょう。
接続例②電源の並列接続
同じ電圧の電源を並列接続すると電圧は変化しませんが、電源容量がプラスされ回路に流せる電流を増やすことができます。
電源容量を増やしたいときに電源を並列接続したりしますが、注意点は違う電圧の電源を接続してしまうと電圧の高い側から低い側へ電流が流れる回路ができてしまうため基本的には違う電圧を並列接続したりはしません。
接続例③負荷の直列接続
少しわかりにくいかもしれませんが、電球が1個単独の時より薄暗くなっています。
テスターで電球にかかっている電圧を測っていますが「49.9V」と表示されています、コンセントの電圧は交流100Vのはずなので、約半分の電圧になっています。
負荷(電気機器)を直列接続すると接続した機器同士で電圧を分割してしまいます、これを分圧と言います。
分圧によって電源の電圧が半減して本来必要な電圧が不足します。
写真では電球が薄暗くなる程度で点灯はしていますが、ほかの負荷(電気機器)だと電圧不足で正常に動作せず動作不良を引き起こします。
そのため、一般的には負荷を直列接続しません。
接続例④負荷の並列接続
負荷を並列接続すると、同じ電圧を並列接続した負荷に供給することが出来ます。
実は一般家庭のコンセントも家庭用の電源を並列接続しています、コンセントが並列に接続されていることで同じ電圧をどの家電にも供給することができます。
注意点は負荷を並列接続するたびに回路全体の電流は増加します、並列接続しすぎると過電流になってしまう可能性があり電気の使い過ぎで家の安全ブレーカーが飛んでしまうのもこのためです。
接続例⑤接点の直列接続
次の写真はスイッチ2つを直列に接続して、それぞれのスイッチのON,OFFの組み合わせを表しています。
接点(スイッチ)を直列に接続すると接点がどちらもON(閉じて)いなければ電気が流れない回路となります。
どれかの接点がOFF(開く)と回路を遮断できることから非常停止回路などに組み込まれたりします。
接点のどちらもON(閉じて)いなければ電気回路が流れないためAND(どちらも)という意味からAND回路と言ったりもします。
接続例⑥接点の並列接続
次の写真はスイッチ(接点)の並列接続の写真です。
接点(スイッチ)を並列に接続すると、接点のどちらかがON(閉じて)いれば電気が流れる回路となります。
接点のどちらかがON(閉じて)いれば電気回路に電流が流れることができるためOR(どちらか)という意味からOR回路と言ったりします。
接続間違えしたらどうなるのか?実際の接続失敗例3選とその対策
直列接続と並列接続を間違えた時どうなるのか?具体的な失敗例をご紹介します。
- 負荷同士を直列接続してしまい動作しない
- 電圧を高めるための電源の接続を並列接続してしまい電圧が足らない
- 接点の並列接続と直列接続を間違えて想定どおり動作しない
1.接続失敗例①負荷同士を直列接続してしまい動作しない
負荷とは電気を消費して利用する部分ですが、負荷が正しく動作するためには適切な電圧をかける必要があります。
通常は負荷の定格電圧=電源電圧と同じはずです。
しかし負荷を直列に接続してしまうと電気回路は電源電圧を直列接続した負荷同士で電圧を分割することになるので、
その結果負荷が電圧不足で正常動作しないということになります。
- 一般的に負荷(電気機器)を直列に接続することがないことを知っていればミスを防げます。
- 接続間違いなどがないか図面などで接続が正しいか確認する。
2.接続失敗例②電圧を高めるための電源の接続を並列接続してしまい電圧が足らない
回路の電源電圧を高めるために、電源を直列接続することがありますが、この時の接続を直列接続するべきところを並列接続してしまい回路の電源電圧が足りなくなってしまうことが考えられます。
バッテリーの電圧を上げるために直列接続することなどが上げられますが、誤って並列に接続してしまうと電圧を高めることができません。
- 電源電圧を高める接続は直列接続と覚える。
- 接続後の電圧が正しい電圧になっているかテスターなどで測定して確認する。
よくある電源の直列接続で乾電池電池を直列につなげて電圧を高めることが多いです、イメージとして覚えやすいかもしれません。
3.接続失敗例③接点の並列接続と直列接続を間違えて想定どおり動作しない
スイッチ同士を直列接続した時はどちらのスイッチもONしないと動作しない回路となり並列接続した場合はどちらかのスイッチがONすれば動作する回路となります。
これを逆に接続してしまうと想定通りに回路が動作しないことで機械の動作などに不具合が生じてしまうことになります。
- 回路がどのように動作するのか図面や仕様を確認して理解しておく。
- 接続後に想定通りの動作になっているか動作テストを行い接続が間違っていないか確認する。
まとめ
- 回路の道筋が一本道なら直列接続、枝分かれなら並列接続と覚える。
- 回路には直列接続と並列接続が混在する。
- 直列接続、並列接続は機器と機器の接続関係で考える。
- 電源、負荷、接点それぞれを直列接続、並列接続した時の特徴は異なる。
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