圧着端子ってなんか感覚や雰囲気で使っているけど
正しく扱えているのかな?
圧着端子を使いこなすにはいくつかポイントを押さえる必要があります!
電気設備の現場で電線の接続のために圧着端子というものがあります。
電線を電気機器へ接続するためのものですが作業の準備のために圧着端子を用意したり、
急に現場作業で不足して買い出しに行った時や電気作業の準備で用意しなくてはいけないときにどれを用意したらしたらいいか分からず間違えた圧着端子を用意してしまい失敗したことはありませんか?
この記事では初心者が圧着端子について知っておくべき基礎知識と知らないと間違えてしまうことなどを、失敗例を交えて解説します。
- 圧着端子を使いこなすために知っておくべきポイント
- 圧着端子で知らないと失敗してしまう具体例
圧着端子を使いこなすために知っておくべきポイント
- 接続の組み合わせを知る
- 圧着端子のサイズの選び方を知る
- 圧着端子と圧着工具はペアで使用する
ポイント①接続の組み合わせを知る
接続の組み合わせとは電線を何と接続するかということです。
電線と電線同士なのか?電線と電気機器なのか?電気機器側の端子台はねじ式なのかねじ無し式なのか?
といったように何と接続するかによって使用できる圧着端子は変わります。
それぞれ接続の組み合わせによって使用する圧着端子が決まってきますので種類を紹介します。
電線の種類
電線にも大別して2種類の種類があります。
導体である軟銅が1本の棒状に使用されてその周りを絶縁物で被覆した電線です。 |
より線はとても細い糸のような銅線を撚り合わせた導体を絶縁物で覆った電線です。 |
端子台の種類
電線との接続方法にねじによる締め付けを利用するタイプで上下のねじ端子は電気的に内部で接続されていて上部の端子と下部の端子をそれぞれ電気接続することができます。 |
差込式端子台とも呼ばれ、端子に圧着した端子や単線などを直接差し込むことで接続できるタイプで抜き差しが非常に容易で作業効率が高い端子台です。 |
圧着端子の種類
圧着端子は非常に多くの種類がありますが、ここでは接続の組み合わせに対して使用する圧着端子の一例を紹介します。
使用する圧着端子 | 接続の組み合わせ | 写真など | 備考 |
裸圧着スリーブ(E形 リングスリーブ) |
単線と単線 |
通称リングスリーブ、電気工事士でお馴染みです。単線同士を圧着接続してビニールテープで絶縁処理します。 |
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絶縁被覆付閉端子(CE形) |
より線とより線 | より線同士を接続する時に使用します。形状から現場ではよくオッパイ端子と呼んでます。 | |
突合わせ型圧着スリーブ(B形)
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より線とより線 | より選同士を接続する時に使用しますがCE形と比較すると直線上に接続するのでかさばりにくいメリットが有ります。 | |
裸圧着端子丸形(R形 丸端子) |
より線とねじ式端子台 |
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通称丸端子と呼ばれ、ねじ式端子台に接続し抜けにくく脱落しにくいメリットがあります。 |
裸圧着端子先開形(Y形 Y端子) | より線とねじ式端子台 | 通用Y端子と呼ばれ、ねじ式端子台に接続して使用しますがネジを緩めるだけで取り外せて丸端子と比べて作業性が高いです。 | |
棒形圧着端子(TC形) | より線とねじ無し端子台 | ねじ無し端子台(差込み式端子台)に接続するように使用します。 |
ポイント②圧着端子のサイズと選び方を知る
使用する圧着端子の種類が分かったところで、サイズの選び方も必要です。
理由はサイズを間違えていると電線を圧着した時に電線が千切れてしまったり、正しく圧着できずに圧着端子から抜けてしまう恐れがあります。
圧着端子のサイズ選び
圧着端子のサイズには挿入する電線のサイズと接続する相手のサイズを選ぶ必要があります。
まず使用する電線に合わせて圧着端子の電線挿入部分のサイズを選びます、下の写真を見てください。
写真はY形圧着端子の挿入する電線のサイズ表記部分です、「1.25-〜」と書いてある部分の1.25とはより線の対応サイズで1.25㎟に対応している事を表しています。
実際には対応する電線のサイズには幅があり調べてみると上記写真の端子ではより線は0.25~1.65㎟までの電線が使用できます。
- 先開形・単線対応タイプ
- 電線抱合範囲 単線(mm):0.57~1.44
- 電線抱合範囲 より線((MM2)):0.25~1.65
- 電線抱合範囲 AWG:22-16
使用する電線のサイズの見方
電線のサイズの呼び方も単線とより線で呼び方が違ってきます。
圧着端子の接続相手のサイズの見方
また、接続する相手のサイズですが、先ほどの写真の圧着端子をもう一度見てみましょう。
Y形圧着端子はネジ式端子台に使用する圧着端子ですが上記写真の囲い部分の「3」は接続相手のネジサイズが3㎜のサイズのネジ式端子台に対応していることを表しています。
接続相手がネジ式端子台の時はネジのサイズに合わせた圧着端子でないとネジ止め出来ないこともあります。ネジなし端子台の時はピンの太さがあっていないと端子台にしっかり挿入できません。
ポイント③圧着端子と工具はペアで使用する
実際の圧着作業において圧着するには圧着端子に応じた圧着工具と呼ばれる専用の工具を使用する必要があります。
各工具は構造が似ていますが圧着端子を潰す歯の形状が違うため、圧着端子に対応しない別の圧着工具を使用して圧着端子してしまうと、正しく圧着出来ずに接続不良の原因となってしまいます。
よくある3つの失敗例
失敗例①使用する圧着端子のサイズ選びを間違えて圧着不良してしまう
使用する電線のサイズに合わない圧着端子を用意してしまい、圧着してしまう電線が潰れすぎてしまっての断線や、潰し不足による圧着端子端子抜けなどの失敗が起こります。
そのまま使用しては後々機械の故障に繋がってしまいます。
正しいサイズ選びをしましょう
失敗例②使用する圧着端子に対応していない圧着工具を使用し圧着不良してしまう
圧着端子に対応していない圧着工具を使用すると正しく圧着端子端子を潰すことが出来ません、
そのため、失敗例①と同じように電線の断線や端子抜けなどの発生の可能性があります。
失敗例③使用する圧着端子のネジサイズを間違えてネジ式端子に接続できない
ネジ式端子台に接続する時は圧着端子の接続部分の対応ネジサイズにも気をつけなくてはいけません。
対応ネジサイズを間違えるとネジが穴を通らなかったり、逆に穴が大きくてしっかり抑えれなかったりと言った接続不良を引き起こす可能性があります。
まとめ
- 圧着端子の接続の組み合わせを覚える
- 圧着端子のサイズの選び方を知るを覚える
- 圧着端子と圧着工具のペアを覚える
です。
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