「この回路、パラでつないどいて」
「アース浮いてるから危ないぞ」
「リレーの接点が悪いな」
――電気の現場で先輩たちが普通に使っているこうした言葉。
入社したばかりの新人さんにとっては、まるで暗号のように聞こえることがあります。

さっき“活線だから気をつけろ”って言われたんですけど、活線ってなんですか?

それは“電気が流れてる線”って意味だね。つまり触ると危ないってこと!
このように、電気業界には独特の言い回しや略語が多く、最初のうちは戸惑うことも多いものです。
この記事では、そんな現場でよく使われる電気業界特有の言い回し10選を、
会話形式でわかりやすく紹介します。
✅電気業界でよく使われる言い回し
✅言い回しの意味
✅具体的な用語の使われ方
電気業界でよく使われる言い回し10選
シリース・パラ

この回路、シリースでって言われたんですけど…?

シリースは“直列”、パラは“並列”って意味だよ。
落ちてる/飛んでる

先輩、機械が動かないです!

ブレーカー落ちてるんじゃない? 確認しよう。
活線(かっせん)

この線、電気来てます?

活線だから触るなよ! 感電するぞ!
接点が悪い

ボタン押しても動いたり動かなかったりします。

それ接点が悪いな。リレーの接触不良かも。
接触不良とは、電気が通るべき部分(端子やスイッチ、コネクタなど)で電気の流れが途切れたり、抵抗が増えて正常に流れない状態のことです。
A接点・B接点

A接点とB接点ってどっちがどっちか混乱します。

A接点は押したらON、B接点は押したらOFFになるタイプだよ。
電気が来ている/来てない

現場でまだ電気が来ていないって言われましたが

ブレーカOFFしていたり、送電が止まっている状態だね。
バラす

このリレー外していいですか?

OK、バラして中の状態見てみよう。
アースが浮いている/アースをとる

この機械、ちょっとビリビリくるんですけど…

アースが浮いてるかもな。接地ちゃんと取ろう。
持っていかれる/とられる

スイッチ入れると他の機械の電圧下がります

共通線で電圧持っていかれてるな。負荷が重いかも。
単相・三相/逆相・欠相

単相とか三相って、どう違うんですか?

単相は2線式の電源線、三相は3線式の電源線。逆相は回転方向が逆、欠相は線が1本切れてる状態だよ。
知らない用語に出会った時の解決方法
ここで紹介した用語、言い回し以外にも会社や地域、現場によって知らない用語に出会うことは多々あります。
現場で知らない言葉や言い回しに出会ったとき、放置すると混乱や事故の原因になることも。
ここでは新人・初心者が実践しやすい3つの解決方法を紹介します。
その①先輩や同僚に素直に質問する
知らない言葉や作業用語が出てきたら、遠慮せず先輩や同僚に質問するのが一番の近道です。
理由はシンプルで、自分はまだ初心者で知らないことを質問して覚えることも仕事の一部だからです。
また、先輩側も知らないことを教えることで作業の理解が深まり、現場の業務が円滑になるという双方にメリットがあります。

すみません、“活線作業”ってどういう意味ですか?

あ、それは“通電中の線を扱う作業”のことだよ。触ると危ないから、絶縁手袋をつけて作業するんだ。

なるほど、危険な作業はまず確認してから行うんですね。

そうそう。分からない言葉はすぐ聞くのが安全だし、仕事も早く覚えられるよ。
知らない用語に出会ったら「まず聞く」こと。
これだけで理解が早くなるだけでなく、現場での安全確保や作業効率の向上にもつながります。
その②ネットや社内マニュアルなどで調べる
知らない言葉や言い回しが出てきたら、ネットや社内マニュアルで自分でも調べる習慣をつけましょう。
理由は、自分で調べることで知識が定着し、同じ言葉に出会ったときに迷わなくなるからです。
また、調べた内容をメモしておくと、後から先輩に質問するときにも正確に確認でき、効率が上がります。

先ほど“B接点”って言葉が出てきたんですが、ちょっと意味がわからなくて…

そういうときはまずマニュアルやネットで調べてみるといいよ。調べてから質問すると理解が早い。

なるほど、検索すると図解や例も出てきて分かりやすいです。

そうそう、自分で調べて理解できると、次に同じ言葉が出てきても迷わなくなるよ。
知らない言葉に出会ったら自分でも調べて確認する。
調べる習慣をつけることで知識が定着し、現場での理解力も向上します。
その③ノートやメモに整理する
知らない言葉や用語に出会ったら、ノートやメモに整理して自分の辞書を作ると便利です。
理由は、書き留めることで記憶に残りやすくなり、現場で即確認できるからです。
また、繰り返し見返すことで、作業の理解や安全確認にも役立ちます。

最近、色々な言葉が出てきて覚えきれません…

そういうときは、ノートに意味と現場での使い方をまとめると

表にして整理すると見やすくて便利ですね!

うん、何回も見返せば自然に覚えられるし、作業中もすぐ確認できるから安全面でも安心だよ。
知らない言葉に出会ったらノートやメモで整理する。
自分だけの辞書を作ることで、理解が定着し、現場での対応もスムーズになります。
まとめ
電気の現場では、専門用語だけでなく「業界特有の言い回し」がたくさん登場します。
最初は意味が分からなくても、実際に作業しながら少しずつ慣れていけばいつかは電気のプロとして用語や言い回しも使いこなせるはずです。













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